[6]キモチを伝えるクラファン文章術。童話「桃太郎」から学ぶ文章作成の必須条件を解説。
餃子屋本舗の楠です。ご覧いただきありがとうございます。
前回の記事ではリターンについて詳しくご説明させていただきました。
商品券をリターンにする際の問題点、利益額だけで価格を決めてはいけないこと、クラファンには収支以上に宣伝効果も大切だということについてお話させていただきました。
今、あなたには、コンセプトの種(4.参照)とリターンの構想が頭にぼんやりとあるはずです。
今回はそれを膨らませて、実際に書きながらプロジェクトを作り上げていきましょう。
今までで一番長い章になりましたが、じっくり取り組んでいきましょう^_^
今からテンプレートに沿って原稿を書いていただくのですが、文章に起こす前に意識していただきたいことがあります。
少し抽象的な話なので、誰もが知る童話「桃太郎」を例に挙げて説明してみたいと思います。
桃太郎のストーリーは簡単に言うとこんな感じですね。
桃から生まれた桃太郎。おじいさんおばあさんの元、すくすく育つ。今、説明に使ったのは80文字ですが、ここには「桃太郎」の物語の核が詰まっています。
強くたくましく育った桃太郎は鬼退治へ
犬、猿、キジにきび団子を渡して仲間に
見事、鬼を倒して宝物ゲット
ここが少しでも変わると「桃太郎」とはかけ離れた童話になってしまいます。
たとえば、桃太郎から「桃から産まれた事実」を無くしたら「ただの太郎」ですよね。
また、鬼が登場しなくなって、ただの宝探しになったら、もはや別の物語になりますね。
このように、この80文字に含まれている要素は桃太郎の物語を支えるために必要不可欠な部分だということがお分かりいただけるかと思います。
逆に、桃太郎に新しい要素を付け加えてみましょう。
たとえば、桃太郎のおじいさんとおばあさんには実は過去に生き別れた伴侶がいて実は二人は再婚組だったとします。
物語の中にそんな複雑な事情が加わったらどうでしょう。
その裏話は面白いかもしれませんが、語ることで桃太郎のストーリー性が壊れてしまいますよね。
鬼退治するのが物語の主軸なのに、おじいさんとおばあさんの過去の話は必要ないからです。
これをあなたが書く文章に置き換えて考えてみましょう。
『事実は小説より奇なり』という言葉があるように、私たちが経験する日常は桃太郎のように分かりやすくはありませんよね。
あなたが今から文章に起こす内容はコロナ禍における自分の境遇ですから尚更です。
それをありのまま書くと、複雑すぎて伝わりづらくなってしまいます。
ですから、あなたの事情の一部分にスポットライトを当てて、シンプルなストーリーにする必要があります。
あなたにとって大切なエピソードだったとしても、もしかすると、それは桃太郎における「おじいさんとおばあさんの境遇」の話と同じかもしれません。
そうであれば、今回のクラファンではそれは語らずに、あなたの中だけにソっとしまっておいてください。
こうして余計な要素を削ぎ落とすことで、相手にストレートに伝わる文章が仕上がるのです。
また、文章を書きはじめる前には、登場人物を整理しておきましょう。
桃太郎における、きじ・いぬ・さる・鬼・おじいさん・おばあさんの役割を果たす要素があなたの物語にもあるはずです。
一生懸命書いても、鬼が抜けては物語として成立しなくなるのです。
成功しているプロジェクトを見ると、文字数は3.000文字〜4.000文字くらいです。
理想は長すぎず、短すぎずです。
長すぎと途中で読むのがイヤになってしまいますし、短すぎると「やる気がない」と思われてしまいます。
私は実際に書くときには10.000文字くらい書いて、それをギュっと凝縮させて4000文字くらいに納めました。
文章に起こす、私のオススメ方法があります。
ある程度の登場人物(要素)を整理してやストーリーの方向性をメモにまとめたら、
その後は文章が崩れても気にせず、言いたいことを好きに書いてから修正する方法です。
その理由は、文章作成は書くよりも修正時間の方が長く使うからです。
序盤のうちに細かな文字表現に気を配ったとしても、文章を修正するうちに文節が繋がらなくなって、せっかく時間をかけた箇所も修正するハメになります。
ですから、下書きの時は崩れていても途中で文が飛んでも書くことだけに集中します。
そして、ある程度仕上がったら再読し、不要な箇所を削り、違和感のあるところを修正し、文章を作り上げていきます。
こうして、「削る&言い換える」を繰り返すうちに伝わりやすいメッセージが生まれていきます。
書いていると、どうしても表現したい言葉(単語)が出てこない時があります。
そんな時は類語辞典を活用しましょう。
近い言葉を検索すると、目当ての単語が出てきます。
https://thesaurus.weblio.jp/
検索すると適切だけど難しい言葉がたくさん見つかるのですが、それは避けて、誰でも理解できるカンタンな言葉を選んでください。
クラファンは文章レベルを競う場ではありませんから、誰が見ても理解できることが最優先なのです。
また、文章の言い回しも「伝わる」が大切なので、ひとつの文節を短く切り、読みやすさを意識してください。
特にPCでは数行の文でもスマホでは5〜6行にもなって読みづらくなることがよくあります。
そのあたりのテクニックは、また別の記事で詳しくご説明していきたいと思います。
それでは、テンプレートに沿って早速書いて行きましょう!
※コピーして使ってください
▶ごあいさつ
▶あなたの商売について
▶あなたの商売のエピソード(苦労して乗り越えてきた話など)
▶このプロジェクトを立ち上げたきっかけ(コロナの影響など)
▶このプロジェクトで実現したいこと
▶情熱を込めてリターンの紹介
▶資金の使い道
▶最後のメッセージ
はじめまして、○○県の○○市で「 」営む、フルネームと申します。
からはじめて、ここでは支援者に向けて簡単に自己紹介をしましょう。
書くときに迷ったら私のプロジェクトを参考にしてください。
<参考>https://camp-fire.jp/projects/view/370372
自分がどんな商売をしているのかを支援者に説明しましょう。
コンセプト作りのワーク「Q1」から選んだコンセプトの種を内容を膨らませて、
自分が商売をはじめようと思ったキッカケなどのエピソードを交えて、
相手の頭の中に物語が広がるように書いていきます。
いまは文章が変になっても気にせず手を進めていきましょう。
ひと段落してから見返して修正していけば大丈夫です。
コンセプト作りのワーク「Q2」から選んだコンセプトの種の内容を膨らませて、
あなたがこれまで奮闘してきたエピソードを書いていきましょう。
相手にもあなたの気持ちがリアルに伝わるように、うまいこと書く必要はありませんが、伝えることを意識してください。
成功しているクラウドファンディングにはとびきりの文才が無くても「伝えたい!」という気持ちが滲み出ているものは成功しています。
あなたはこれまで色んな思いを抱えて商売をしてきたはずです。
その思いを、その歴史をここでぶつけましょう。
<伝えたい気持ちがにじみ出た参考事例>
https://camp-fire.jp/projects/view/365436?list=food_popular_page2
コンセプト作りのワーク「Q3&Q4」から選んだコンセプトの種の内容を膨らませて、
あなたの商売に及ぼした「コロナの影響」を一般の人に向けて分かりやすく書いていきます。
ここでは曖昧な言葉でなく「幕を閉じてしまう」「このままでは存続が難しい状況」などリアリティのあるシンプルで具体的な言葉を選びます。(嘘は絶対駄目ですよ!)
こんなにも頑張ってきた人が、希望に溢れていた人がコロナをきっかけに廃業に追い込まれるのは駄目だと支援者に思ってもらってください。
自分の置かれている状況を遠慮して書くと失敗につながるのは、これまで見てきたとおりです。
不安な気持ち・恥ずかしい気持ちがあるのは私も分かりますが、結果があなたを癒やしてくれるはずです。
がんばって乗り越えていきましょう!
コンセプト作りのワーク「Q5&Q6」から選んだコンセプトの種の内容を膨らませて、
このプロジェクトを通じて、あなたがどんなことを実現したいのかを書いていきます。
クラウドファウンディングでは夢や希望を後押ししたいという支援者が多くいらっしゃいます。
残念ながら暗いままでは誰も手を差し伸べてくれません。
大変な状況でも希望に向かって、強く突き進もうとしている人を、みんなが応援しようとしてくれます。
あなたは他の人に支援していただいて、コロナを乗り越えてどんな風になりたいのでしょうか?
支援者は、あなたが何をしようとしているのかを真剣に見ています。
それに共感できるかどうかが支援の分かれ目です。
あなたの自慢の商品を思い切りアピールしてください。
何度も書いていますが、支援者にとってリターンの魅力度はとても大切なので、特にここは気合いを入れて書きましょう。
あなたの商品を美味しそうと思ってもらうコツは、以下の2点です。
1.おいしそうに感じる「擬音語や表現」を入れる
2.おいしそうを「裏付ける理由」を入れる
簡単にご説明します。
まずは、あなたの商品の美味しそうを言い表すワード(擬音語/表現方法)を探してください。
下記サイトにたくさんの例が載っているので参考にしてください。
また、自分に関連するものだけを手っ取り早く見たい方は、似た商材を扱う通販サイトを参考にしましょう。
https://bit.ly/2MIIVgm
上記サイトを見ると、「なめらか、旨味のある、濃厚な、ほんのりと甘い」などのおいしさを連想させる言葉がたくさん見つかりますね。
そこから、自分の商品に合うものだけを集めてください。
そのあと、その「擬音語/表現」に対する説得力のある理由を添えてください。
たとえば、モチモチ食感のパンがあるとしましょう。
世の中にモチモチのパンはいくらでもありますから、理由を添えることで差や説得力を出す必要があります。
たとえば、モチモチでしたら湯種製法だから/製菓用の米粉/北海道産の中力粉を使っているからなどの理由が見つかると思います。
そうした情報も一緒に入れるのです。
すると、
私共が作り上げる食パンは、北海道産の中力粉「北の誉(ほまれ)」を用いて湯種製法で丹念に仕上げているため、今までにないモチモチの新食感を実現しました。トーストにして頂ければ香ばしい小麦の風味と共に粘りのあるモチっとした食感が味わえます。などと言えるため、擬音語だけが並んでいるだけよりも説得力が遥かに増すのです。
ですから、リターンの紹介では「美味しさの表現+製法へのこだわり」をセットで説明することを意識しましょう。
また、「製法へのこだわり」に使える素材ををヒントとして挙げておきます。
●素材の産地(北海道の希少な国産小麦を...など)
●調味料や素材の組み合わせ
(群馬県産の小麦にフランス産のエシレバターを組み合わせたラスクにゲランドの塩をひとつまみ)
●仕込み時間をアピール(13時間煮詰めた/丸2日煮込んだ)
●調理方法(焼く・煮る・蒸す・茹でるや下処理なども含む)
●調理人の経験(〜〜ホテルで総料理長を務めた・この道ひと筋三十年の職人が...)
などです。
私はメニューブック作りが専門なので本当はここが一番ノウハウが多いのですが、書くと紙面を取り過ぎてしまいますので割愛いたします^^;
もし迷った場合は自分と似た商材を扱う通販サイトを覗いてみてください。
サイトの丸パクリはいけませんが、参考にして変化を加え掲載するのはOKです。
支援された金額で何かを購入する予定などがあれば、詳細に記入しましょう。
特にリターンの金額を通常価格より上乗せしている場合などは、
ここにしっかりと情報がなければ不自然になってしまうので注意してください。
簡単に書いていらっしゃるところでは、「運転資金・リターンの準備金」程度で済ましている方も多いです。
<例>
https://camp-fire.jp/projects/view/347075?list=projects_popular_page8
ここでは支援者に最後のお願いをしてください。
うまいこと言う必要は無いのですが、善意で支援をしてくださる方に誠実に支援のお願いをしましょう。
よくあるフレーズは「私たちに皆様のお力をお貸しください」と結ぶパターンです。
===
以上が、私が提供するテンプレートです。
また、CAMPFIREが提供しているテンプレートもあるのですが、そこには実施スケジュールというものがあります。
この資料をご覧いただいている方は自分の商品をリターンにされる方が多いと思うので不要かと思います。
とても長くなりましたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
次回は、書き上げた文章を、より支援者に伝えるための写真作成テクニックについてご紹介します。
また、文章の太字の付け方や、小見出しの作り方については、また後日解説しますので、
今は気にする必要はありません。
それでは、また次回にお会いしましょう!
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