[2]たった40字のタイトルの違いで支援額は20倍も変わる。成功/失敗を事前に察知する<4つの鍵>
餃子屋本舗の楠です。ご覧いただきありがとうございます。
今日お伝えしたいのは、クラウドファンディングにおいて最も大切なことです。
私は、この事実を発見したときに、こうした舞台裏記事を作って届けることが、他の人も役立つことだと確信しました。
私はクラウドファンディングに挑戦すると決意してから、
100件以上のプロジェクトページを見て、成功と失敗の差を見極めようと研究していました。
そんな中、あるひとつのプロジェクトが目に留まります。それは、
「コロナに負けない!暖簾を守り自慢のうなぎ料理で沢山の人に笑顔を!」
というもので、たったの5万円しか支援がついていませんでした。
このタイトルは典型的な失敗例だったので、「やっぱり」と思いつつページを覗いたところ、
この発起人が、同じ写真、同じ文章のまま「タイトル違い」で5回もプロジェクトを再投稿していることを発見しました。
そして、私は驚きの光景を目にするのですが、
たったの40文字しか入らないタイトルの変更だけで、
5万しかなかった失敗プロジェクトが、100万円もの支援額に膨れあがっていたのです。
その変更したタイトルは
「老舗150年 うなぎの日本料理専門店が幕を閉じてしまいそうです」
でした。
<役立つ事例を解説つきでお届けします>
こうした、少しの差で支援額が大きく変わる事例を、私はリサーチの中でたくさん発見しました。そして、それが何故なのかも研究を繰り返すうちに分かるようになってきました。
そこで得たノウハウをここで全て公開していきたいと思います。
<実例掲載にあたって、お断りしておきたいこと>
今から私と一緒に実例を見て回りますが、ご紹介する「失敗したプロジェクト」は発起人に配慮し実際のページを掲載することは控えています。また、紹介する文章にも一部変更を加えました。
もし、ご自身の目で「失敗プロジェクト」を見たい場合は、下記より掲載終了したプロジェクトの一覧が見れますので、募集金額の少ないものを探してください。
https://camp-fire.jp/projects/category/food?project_status%5B%5D=closed
それでは実例をご紹介していきます!
では、今挙げた「日本料理店の例」を用いて、どうして成功/失敗をしたのかを解説してみたいと思います。
まずは、それを見極めるために必要な「4つの鍵」をあなたに渡します。
これは私が100件以上のクラウドファンディング研究を通して分かった成功/失敗を分ける要素をまとめたものです。
成功しているプロジェクトには、これら4つの要素が必ず入っています。さきほどの例で確認していきましょう。
「コロナに負けない!暖簾を守り自慢のうなぎ料理で沢山の人に笑顔を!」
メッセージとしてはシンプルですが、「負けない」とは何を指すのか、「暖簾を守って笑顔」も抽象的で何を言っているのかが具体的ではありません。
支援者が自らのお金を差し出すわけですから、それ相応の理由が必要ですが、その大切な要素がここにはありません。
具体性がないので、守りたい/応援したいなどの気持ちが沸かず支援した人がどんな満足感が得られるのかも具体的でありません
一方、100万円集まった方はどうでしょうか。
「老舗150年 うなぎの日本料理専門店が幕を閉じてしまいそうです」
150年の歴史がある、うなぎをメインに扱う日本料理店が潰れてしまうというメッセージが強く出て分かりやすくなりました。
変更前は「潰れそう」というニュアンスはありませんでしたね。
これにより、この発起人が支援を求める理由が明確になりました。これはとても大切なことです。
150年もの伝統があれば、その間、色々なドラマがあったのだろうと想像できますし、
それがコロナでなくなるのは少し可哀想と共感も得られます。
また、支援者は自分のお金を通じて店の歴史や伝統を守ることに貢献できるので、
他の飲食店を支援するよりも「心理的報酬(支援者のメリット)」が得られます。
クラウドファンディングの支援者は善意の気持ちで支援をしてくださいますので、
当たり前ですが、応援して良かったと思ってもらうことが大切です。
ですから、支援者の心理的な報酬を絶対に無視してはいけません。
※簡略化のため、タイトルとコンセプトを同じものとして扱っています。タイトルはコンセプトを短く言い表すものなので、似ているのですが、本当は少し違うものです。
この調子で他の事例にも触れて、成功/失敗を見極める感覚を育てていきましょう。
成功/失敗事例を2つずつ挙げました。(成功事例のみURLを記載)
<成功事例>
成功例1「黒毛和牛とイベリコ黒豚のお肉を破棄から救って食べて消費してほしい」
https://camp-fire.jp/projects/view/309546?list=projects_popular
これは卸売関係者にはお手本とも言える成功例(支援額は1800万円とオバケクラス)です。
このプロジェクトには成功のノウハウが詰まっているので、対象の方は是非じっくりとご覧ください。
タイトルの「破棄から救って食べて消費して欲しい」は、シンプルで具体的な強力なメッセージです。これ以上のキーワードはフードロス系には無いと思います。
美味しく食べれてフードロス削減に貢献できるし、仕入れ値+送料で高級なお肉を食べることが出来る。(本文中より)
このお肉に支援がつかなかったら、大量のフードロスを出てしまうので社会にも良くない。(他にも本文中には共感を誘うメッセージがたくさんあります)
<成功事例>
成功例2「味だけが取り柄の珈琲屋を救って下さい。埼玉の田舎から美味しい珈琲をお届けします」
https://camp-fire.jp/projects/view/77644?list=projects_popular_page3
こちらは、とある珈琲屋さんのプロジェクトです。
先程の黒毛和牛の例は「支援で救える規模感(お肉は何トンと余っている)が大きい」のでクラウドファウンディングと相性が良いのですが、こちらは1店舗の珈琲店です。
フードロスのような公益性のあるお題目がないため、よっぽどの理由がない限り、赤の他人が支援しようとは思わないはずです。
しかし、このプロジェクトは支援額多くないですが見事成功しています。(もちろん知り合いも多いと思います。)
実はコロナ禍で個人飲食店のクラウドファンディングは増えていているのですが、失敗プロジェクトが跡を絶ちません。
この例では、その成功のヒントを掴むことができます。
味に真面目に取り組んできた人を、自分が珈琲を飲むことで救える
支援したら美味しい珈琲が届くし、がんばってきた人に貢献できる
頑張ってきたお店が潰れるのは可哀想(珈琲屋を開くのは発起人の夢だったとあります)
このプロジェクトは80万円という支援額で先程の例に比べると小さいように感じますが、飲食店のプロジェクトとして十分参考になる事例です。
<失敗事例>
次は失敗例を見ていきましょう。どういった点が悪かったのかを知ることで、失敗のリスクを減らすことができます。(URL記載なし)失敗例1 コロナ禍の今だからこそバリ島に飲食店をつくりたい。
有名なブロガーさんのプロジェクトでしたが、支援金額は5万円にも満たないものになりました。
内容としては語学学校を経営している発起人が観光名所に飲食店を作りたいといったものでした。
やりたいことは文面から分かりますが、コロナ禍の今、なぜバリに飲食店を作るのか、具体的でシンプルな「納得する理由」がありませんでした。(本文にも書いていない)
なぜ「コロナ禍だからバリに飲食店」なのか、理由が描かれていないから共感できず支援の気持ちが沸いてきません。
応援したい気持ちが沸かないので支援に対する心理的な報酬が少なく、また、リターンも本人との飲食会など、ファンでない限り魅力的に感じませんでした。
<失敗事例>
失敗例2 南堀江のバーピエロ ワインバー存続のご支援をお願いします
1店舗の飲食店のクラウドファンディングにおいての典型的な失敗例と言えます。
「存続のご支援」というのは具体的にどういう状態なのかが今ひとつ分かりません。
潰れそうなニュアンスもあるにはあるのですが、このタイトルを見る限り、切羽詰まった様子が感じられません。
ですから「老舗150年が幕を閉じる」などのように支援を要するシンプルで具体的な理由が必要です。
また、このワインバーでは本文にも詳しいことは書かれていませんでした。
支援を求めている理由が分からないし、発起人がバーに懸ける想いが分からず共感を得られません。(本文にも書かれていない)
発起人の置かれている状況が分かりにくいので、応援しても心理的報酬が満たされません。
加えてリターン内容も店舗で飲める高額なワインばかりで、店舗のファンでない限りメリットが感じられないものでした。
===
以上、成功/失敗例をご紹介しました。
このように「4つの鍵」に着目するだけで、成功と失敗の明暗が掴めるようになったと思います。
今回の記事では最初なので簡単に解説しましたが、
次の記事では今回よりも更に詳しく事例をひとつひとつ解説していきます。
もし、分かりにくい箇所があったらコメントください。その方が、他の方が見る場合にも分かりやすくなります。
タグ :クラウドファンディング
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