前回はコンセプトの種を一緒に決めましたね。
今日はリターンを決めていきましょう。ここでは完璧に決めず、だいたいで大丈夫です。
コンセプトの種とリターンの構想が見えてきたらプロジェクトの大枠が出来上がりますので、
実際にフード・飲食店部門でよくあるリターンを一気にまとめてご紹介していきます。
詳しく書いていますが、全部読むと勉強みたいでちょっと大変です。
なので、
今は気になるところだけザザっと拾い読みしていただいて、
プロジェクトを詰めていく段階で、もう一度見てもらうのが良いと思います。
よくあるリターンの種類9選
一番主流なのがこちらです。
看板商品以外にも人気のサイドメニュー(焼き肉屋さんであればナムルやキムチなど)を入れるところもあります。
また、
商品は量やサイズによってバリエーションを確保してください。
焼き肉なら500g・1kg・2kg・10kgという具合です。
ポイントは
ワザと高価格のリターンを作ることです。
そうすると
比較でメインのリターンが安く見えますし、実際に
たくさんの量が欲しい人は安く手に入れることができます。(量が多いと安くなるのが基本です)
また、価格の決め方については後ほど説明をしますので、ここでは深く考えなくて大丈夫です。
商品の高額ラインナップを作るときに便利です。
価格は大きくても単品よりも安くなるのが一般的です。
注意することは
定期便の場合、送料が毎回かかるので、それを加味しておくことです。
私も定期便を作ったのですが、量がそれなりに確保できたら、運送会社と送料の交渉をして相見積もりを取ろうと思っています。(成功するか分かりませんので、上手くいけばシェアします)
こちらは、よくボランティア系などで使われている、
物品のお返しがない、お礼の手紙やメールだけのリターンです。
原価がかからないことを支援者が理解しているので、プロジェクトを見て
純粋に応援したい気持ちを持った方は選択してくれます。
支援しやすい手頃な金額でひとつは入れておくと良いでしょう。
商品のお返し+支援者の体験を加えたリターンです。
たとえば、生産農家さんであれば、食育の一環として苗を植えて収穫した商品を送る(加工品にして届ける)ものや、
動物とふれあって餌をあげる
農場体験をした後で加工品を渡すリターンなどが用意されています。
通常は高額(5万以上)で設定されていますが、○人まで参加可能にして参加者の負担を抑える工夫をすることが多いです。
体験リターンはアイデア次第で色々なパターンが考えられますね。
食品製造でしたら工場見学、飲食店でしたら1日店長体験というのもありです。
また、
商品だけよりも原価が安く抑えられるところも見逃せないポイントです。
例
https://camp-fire.jp/projects/view/329072#menu
商品券のように通常よりもオトクな値段で食事券を販売するリターンです。
よくあるのは、10.000円の金額で11.000円分の食事券にというものです。
また、私は10%オフの2年間パスポートを5.000円で販売しました。
後で説明しますが
クラウドファンディングでは手数料がかかるので商品券よりも長く通っていただけるような割引券のパスポートの方が私は良いと考えました。
純粋応援から派生したようなリターンです。
オリジナルグッズを作って、支援のお礼にグッズを渡すというものですが、
ステッカー1枚で1.500円など高めに設定されていることが多く、イメージとしては
寄付つきのグッズです。
注意したいのは、制作費がかかること、欲しい人がどれくらいいるのか見極めないと在庫を抱えることになることです。
また、
メインのリターンが食品の場合、あまり支援がつかない傾向がありますが、
以下の例のように店舗自体にブランド力やオシャレなイメージが強いところは別のようです。
例
https://camp-fire.jp/projects/view/364454#menu
こちらは支援してくれた人の名前をステンレスのプレートや木札に刻印して(表札みたいな感じですね)店舗に掲示するというものです。
通常は、
10.000円など高額に設定されていることが多いです。
イメージとしては神社の灯籠などの奉納です。(奉納者の名前が刻印されていますね)
その店に思い入れがある人にとっては自慢にもなって良いかもしれませんが、
このネームプレートだけをリターンにしているところは失敗しているケースが多いので、
他のリターンと絡めて使いましょう。
また、ネームプレートリターンに面白い成功例があるのでご紹介します。
とある居酒屋さんのプロジェクトで
とびきり大きいネームプレートリターン(h900mm×w300mm)が5万円で用意されていて即完売していました。
これもアイデアのひとつですね。店舗の雰囲気と相性が良いところは積極的に採用して良いと思います。下記にリンクを貼っておきます。
20年間成人の門出を祝い続けて来た店を存続させたい!!
https://camp-fire.jp/projects/view/339948#menu
たとえば、オリジナル商品を開発できる権利、新商品の命名権などです。
通常は10万円以上など高額な値段で設定されることが多いです。
シェフ自らが出張して自宅で料理をするといったものや、発起人と直接会える食事会などで、たいていは高額に設定されています。
変わったものでは「(著名なシェフ)が新商品開発を行います(50万)」のようなものあります。
また、あなたの体験/経験が他の人に語って希望を与えるようなものであれば講演会のようにするのも良いと思います。
以上、クラウドファンディングで実際に使われているリターンをご紹介しました。
この中から、自分のプロジェクトに使えそうなリターンを選んでください。
基本的には商品+αという形になるかと思います。
リターンの選定で一番大切なのは支援者に喜んでもらおうという気持ちです。
リターンで得られる物品や心理的な報酬は支援者にとって大切です。
利益ばかりを求めて、魅力のないリターンを高額で販売しているところは、よっぽどな理由がない限り失敗しますのでご注意ください。
逆に考えれば、ボランティアの資金捻出や自然災害からの復活プロジェクトなどのように
資金が必要なことが支援者に伝われば、リターンに魅力がなくて高額でも成功するということです。
続いて、リターン金額を決める上で大切なことをお伝えしておきます。
クラウドファウンディングは
掲載は無料ですが、
目標達成金額から手数料が引かれます。
手数料は時期によってキャンペーンを行っているので様々ですが、
通常CAMPFIREでは手数料12% +決済手数料5%=合計17%(通常時)が達成合計金額から引かれ、
加えて、
リターン1支援につき200円+税の手数料がかかります。
また、
リターン価格には消費税と送料(全国一律です)を含めないといけないので、それを考慮して決めてください。
具体的には、
ひとつのリターンで手元に入る金額の計算式は「リターン価格×0.83-220円」です。
ケーススタディとして商品券のことについて説明したいと思います。
私はリターンに商品券を載せるのは危険だと思っています。
なぜなら、
たとえば10.000円でリターン掲載して、お客さんに11.000円分の商品券を渡した場合、
手数料を引かれた場合ですと「実質8.080円で11.000円分」のサービス提供しなければいけないからです。
お客さんは10%分得なので嬉しいと思うのですが、
店舗としては26.5%引きなので、これで利益を確保するのはかなり厳しいと思います。(オープニングキャンペーンを兼ねる場合はこれでも良いと思います)
一時的なキャッシュフローは確かに良くなるのですが、慎重に見極めないと後で痛い目を見ることになります。
ですので、私は2年間使える10%クーポンを5.000円で販売するという選択にしました。
この方法ですと、お客さんも複数回通ってはじめて得になりますから、店舗としても集客効果も期待でき、一時的にキャッシュフローが改善できます。
また、
ファンの人ほど恩恵があるので、よくいらっしゃる人は実際得になります。
また、
その場合、条件として宴会での利用不可や上限金額を設けることを忘れないでください。
以上を踏まえた上でリターン価格を決めていきますが、
どれくらいの利益を上乗せするのかは人によって様々です。
利益が残るようにたくさん上乗せする人もいますし、私自身は通販のPRも兼ねたので、逆に少し安くしました。
リターン金額にルールは存在しませんが、結局は支援者が選ぶのかどうかの問題ですので、
その金額で支援がつくかどうかは、
あなたのコンセプトの種の共感度の高さ、リターンの魅力度によって変わってきます。
たとえば、共感度の高いボランティアプロジェクトでは、高額な純粋応援でも大きな支援を集めています。
コロナ禍の年末年始、住まいを失う方にあたたかな居所と支援の手を届けたい!
https://camp-fire.jp/projects/view/347557?list=projects_popular_page2
それは、
大きな金額が必要なことが支援者の目から見ても明らかですし、
この人たちが元々、
自分の利益のためだけに活動をしていないことが大きな要因です。
クラウドファンディングは手数料が大きいので、きちんと計算しないと赤字になることすらあります。
利益計算を丹念にした上で、
支援者の気持ちを考え、あなたが納得のいくように決めていきましょう。
見逃してはいけないのは、クラウドファンディングは
そこでの収支だけでなく宣伝効果があるという点です。
私は生き残りをかけましたが、本当の勝負は緊急事態宣言が開けてからの1年だと思っています。
コロナ禍では宴会・飲み会が取れないので、どの道このままでは泥舟だと私は考えています。
ですから、通販の宣伝ができるようにプランを練りました。
また、クラウドファンディングをすると知人達にページの宣伝をすることになりますから、必然的に同級生や知人の話題にのぼり、店舗への集客も期待できます。
こうしたことからも、クラウドファンディングでは、そこでの収支だけを見てはいけないことがお分かり頂けたかと思います。
私はCAMPFIREで掲載したので、その例で説明していますが、クラウドファンディングのサイトは他にも色々とあります。
READY FOR や
Makuakeがその代表格です。
ただ、私が見た限りでは
コロナ関係のクラウドファンディングはCAMPFIREが一番相性が良いように思いました。
なぜなら、
全く同じプロジェクトを他のサイトでも掲載している例が少しですがあり、
その場合、CAMPFIREの方が支援額が高くなっていたからです。
ただし、比較できた例は数が少ないので、あなたがプロジェクトを起こす時にも比べてみることをオススメします。
また、それぞれのサイトによって手数料の条件も異なりますし、キャンペーンで割引もよく行われているので、それも併せて考えてみてください。